覚悟して読んで下さい。
事故発生直後から東電他関係者の対応をなじるメールが友人の間で飛び交い始めました。
浮遊老人は未曾有の事故の直後だから一生懸命処理をしている人たちを暖かく見守ろうと、批判は控えて来ました。
事故を上手く解決すれば世界に冠たる「原発技術大国」になると考えていました。
圧力逃がし装置(弁?)がある建屋を破裂させたのは装置作動のタイミングを逸した判断ミスか、装置の不具合かなどと考えたりしていました。
事故後3週間目に入り、大局観が無く後手々々に回る対応にあきれ返っていたら、28日のトレンチ騒動で記者発表をする原子力不安院、別名原子力阿呆院のお粗末さに耐えかねて、福島原発事故の七不思議を書くことにしました。
このままでは「原発未熟大国」になってしまいそうです。
半徹夜で書き上げ、30日午前中に校正を終えてアップするつもりでした。
ところが、30日の朝刊やテレビを見るといろいろな動きがあることが報じられ始めました。
例えば、遠隔操作の飛行機からの現場の撮影や、原発建屋とトレンチに溜まった水のタンカーへの移送など浮遊老人も書いていたことです。
そこで、全文のアップは取りやめ、七項目につての概略とトレンチについて少し詳しく書いたものをアップします。
「原発技術大国」になるか「原発未熟大国」になるかの正念場です。
がんばれ!!関係者 がんばれ!!日本
1.プロジェクトマネージャーがいない不思議
事故処理の中核となるべき東京電力では、社長・副社長、ずっと下って広報担当者の姿しか見えません。
建設技術/設備技術担当役員クラスがプロジェクトマネージャーとなって全体を取り仕切り、ポイントとなる事項は自ら記者会見で説明すべきです。
2.大局観・全体構想が無い不思議
原発の中心は原子炉・原子炉圧力容器・格納容器・原子炉建屋ですが、他にもタービン・ジェネレーターから始まり、数多くの機器・設備から構成さされています。
如何に原子炉本体が重要だとは云え、大局観もなく、発生する事象に後追いで対応しているのが第二の不思議です。
3.設備業者/工事業者の姿が見えない不思議
原子炉はGE/東芝、土木建築は鹿島だったと思います。
タービン・ジェネレーターはどこが作ったのでしょう。
如何に保証期間は過ぎているとはいえ、東電との今後の
こともあるから嫌々付き合い、極力自社の名前を出さな
いように努めているように見えます。
4.日本の最新技術が見えない不思議
遠隔操作カメラを積んだ農薬散布用の無人ヘリコプター、両方とも遠隔操作が出来るはずです。
小松製作は遠隔操作のブルドーザーが得意分野のはずです。
ロボットは何処にいるのでしょう。
日本の先端技術が姿を見せないのが不思議です。
5.現場/現物を知らなさそうな不思議.
NHKニュースで恒常的に出て来る細身の人物・テレビに出て来る学者先生・東電の広報担当・原子力阿呆院の広報担当者。
事件発生後の俄か勉強でも仕方がありませんが、完成図書の中の全体配置図・各エリアの配置配管図・立面図などを自分の眼で見ましたか?
見ていればもっと臨場感のある発言が出来る筈です。
6.中央制御室の照明点灯が大ニュースの不思議
東電の広報担当が、連日今日はどこそこの中央制御室の照明が点灯したと話しています。
特に、第一回目の時の嬉しそうな表情が印象的でした。東京電力の始まりの東京電燈が生き続けているのでしょうか。
制御機器や伝送路の通電は大事ですが、照明はバッテリ
ーやヘッドランプで何とかなります。
大事なのは工事現場の照明で、30日朝にNHKで作業現場の照明の重要性に触れていました。
7.原子力阿呆院が事業仕分の対象にならない不思議
連日ウロウロと醜態をさらしている広報担当者は哀れです。
28日のトレンチ水没騒ぎでは、トレンチはトンネルとか洞道だとか、現物を知らず言葉で逃げていました。
建屋とのシーリング材は「モルタルみたいなもの」だそうで。
この期に及んで「みたいなもの」は無いでしょう。
ご自宅の下水管ならモルタルでしょうが、重要な施設では柔軟性があるシーリングコンパウンドを使うと思うのですがーー。
原子力阿呆院が我が国の原子力行政の中核を担っているのが第七の不思議です。
ここからはトレンチの話です。
29日のNHK「ASAICHI」でようやく「塹壕」とか「トレンチコート」が出て来ました。
しかしまだ「ドレインピット」とか「ドレイン抜き」と云う単語や図が出て来ません。
ドレインには排水とか排膿の意味があります。
塹壕の中の兵士は排泄をどうしているのでしょう。
桶にしてそれを外部に棄てるか、トレンチの一ヶ所に穴を掘ってそこに排泄し、後で汲み上げるか、埋めてしまい別のところにまた穴を掘るのです。
トレンチに屋根や蓋があっても何処かから水が入りますから、ドレインピット(底面より低い排水桝)があり、ドレインポンプで排水する筈です。
今回はドレインピットの水位の監視を怠ったからここまで来たのでしょう。
万が一ドレインピットが無かったら設計ミスです。
東電は別のタンクに移すと言っていますが、すぐ満杯になるでしょう。
非常事態では、岸壁に着けた小型タンカーに仮設ポンプで移送し、沖合の30万トンクラスのタンカーに積み替える位の事を考えないと駄目なのでは?
その後の処置は追々考えれば結構。
原子炉建屋・タービン建屋内で水の冷却循環が理想ですが、駄目になった時に備え、早めに手を打つのがプロマネの仕事です。
現役時代にオシッコをしに行くのを「ドレインを切りに行く」と云っていた普段は自称温厚な浮遊老人が、怒りにまかせて書きまくりました。
これでも原文の1/3以下です。
最後までお読み頂いた方、お疲れ様でした。